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菜食主義の種類を解説!ベジタリアン、ヴィーガン(ビーガン)、フレキシタリアンなど

こんにちは、山内 (@Bouquetet) です。

最近では海外だけでなく日本でもベジタリアンやヴィーガンについて語られることが多くなってきました。

アメリカでは8年間でヴィーガンの人口が1%(2009年)から6%(2017年)と6倍に増えているとされ、の他の地域でもその人口は年々急増しています。(オーストラリアでは11%、ドイツでは10%が菜食主義)

しかしながら、日本ではまだまだ知られていない部分も多く

名前を聞くだけで嫌悪感があるという人から、以前から少し興味があったという人まで様々なのではないでしょうか。

ひとえに「ベジタリアン」「ヴィーガン」と言ってもその食事形態は様々です。

セミ・ベジタリアン」(フレキシブルなベジタリアン)であり海外滞在時にベジタリアン・ヴィーガンと一緒に住んでいた経験もある私が、その種類をご紹介したいと思います!

 

 

ベジタリアンやビーガンになる理由は様々

まず、ベジタリアンやビーガンについて「なぜそんな食生活をするの?」と疑問に思う方は多いかもしれませんが、基本的には

 

・畜産による環境破壊を食い止めたい

 (畜産は環境破壊の大きな原因のひとつ)

・動物から搾取しない

・自分に合った食事スタイルを探したい

という考えに基づいてその食事スタイルにする方が多いです。

 

基本的な考え方

ベジタリアンの種類は様々ですが、主流な分類としては基本的に以下のものを食べるか?食べないかで分けられています。

 

動物性のものは卵のみは食べる、乳製品もOK、魚はOK、など段階によって名前が付いています。

 

主流なベジタリアン

まず、ベジタリアンを大きく分けると以下のようになります。

ヴィーガン(ビーガン

ベジタリアンのなかでもっとも厳格なのが「ヴィーガン(ビーガン)」です。

完全菜食やピュア・ベジタリアン(pure vegetarian)とも言います。卵・乳製品・ハチミツ・肉・魚など動物性の食品は一切摂らないです。

 

山内

「ヴィーガン」は思想によって名称が分けられていて、

・動物の命の尊重から実践すること→エシカル・ヴィーガン

・食事面のメリットがあると考えて実践すること→ダイエタリー・ヴィーガン

と呼んだりします。

 

ベジタリアンやヴィーガンになる理由は人それぞれですが、最近では動物愛護の他に環境保護の視点からなる人も多いですよね。(畜産は環境破壊の最も大きな理由の1つと言われています。)

 

ラクト・オボ・ベジタリアン と ラクト・オボ・ベジタリアン

少し長い言葉なので一見わかりにくいですが、言葉の意味を知ると簡単になります。

ラテン語で

 

・ラクト → 乳(乳製品)

オボ → 卵

 

です。

なので、

ラクト・オボ・ベジタリアン → 肉や魚は食べないが乳製品と卵は食べる

オボ・ベジタリアン → 肉や魚は食べないが卵は食べる(乳製品は摂らない)

 

ということになります。

欧米の人に多いベジタリアンのスタイルであると言われています。

 

山内

「ベジタリアン」と言う時、肉や魚は食べないが乳製品と卵は食べる「ラクト・オボ・ベジタリアン」を指すことが多いです。

簡単に言うと

ヴィーガン=完全菜食

ベジタリアン=完全菜食+卵+乳製品

ということを表すことが多い感じがします。

 

以上が国際ベジタリアン連合で認められているベジタリアンの種類なのですが、以下のようなスタイルも存在しています。

 

ペスキタリアン

 

菜食に魚介類を加えた食事法です。

ペスコ・ベジタリアン(pesco-vegetarian)とも言います。

ペスコ・ベジタリアンはベジタリアンのなかでも大腸がんになるリスクが少ないという調査結果があります。

 

「ベジタリアンはベジタリアンでない人よりも大腸がんのリスクが22%低い」という研究結果がでていますが、(ラクトオボベジタリアンは18%、ビーガンは16%、セミベジタリアンは8%)その中でもこのペスコベジタリアンは43%もリスクが低くなっているという調査もあります。

(2015年5月、米カリフォルニア州のロマリンダ大学(Loma Linda University)
https://www.huffingtonpost.jp/robust-health/vegetarian-colorectal-cancers-risk_b_7566638.html

 

山内
菜食は栄養のバランスを摂ることが難しくなる部分がありますが、完全に乳製品や卵以外の動物性のものを排除するのではなく魚も取り入れるというこの食事方法は導入しやすいのかもしれません。

 

セミ・ベジタリアン

フレキシタリアン(造語)とも言います。

お肉やお魚を一切摂らないビーガンやベジタリアンとは違い、「野菜中心の食生活だけど、たまにお肉やお魚も食べる」という柔軟なスタイルです。

「可能な限りベジタリアンの食生活にしている」とか「お肉やお魚を摂取しない日の方が多い」という人はフレキシタリアンに当てはまります。

メモ

「毎週月曜日はお肉を食べないようにする」というミートフリー・マンデーのキャンペーンは、元ビートルズのポール・マッカートニーと実娘のステラ・マッカートニーによって2009年に始められ、年々規模が拡大しています。

これをきっかけに菜食への理解が深まったり、意外とお肉を自分が欲していなかったと知る人が出てきています。

 

 

リデュースタリアン(reducetarian)

肉を減らして植物性食品も取り入れた食事法

「リデュースタリアン」という考え方を提唱し始めたのは、イギリス人のブライアン・ケイトマン

彼の運営するウェブサイト「Reducetarian.com」ではお肉、卵、乳製品など動物性のものの摂取量を今よりも減らせるように体系化された食事方法が紹介されています。

「完全にお肉や魚をなくすわけではなくまずは量を減らしたい」という方にまずは試してほしい食事法です。

彼が運営する公式ウェブサイトによれば、リデュースタリアンは、赤身肉、鶏肉、魚介類、その他のあらゆる動物の肉、そして乳製品摂取量を、今より減らしたいと思っている人々によって構成されている。

 

山内
「食べるお肉の量を減らしたら欲さなくなった」という方は多くいるようで、私自身もそうですしカナダで出会ったベジタリアンやヴィーガンに話を聞くとまずはそのように始めたという人が多かったです。

 

その他のスタイル

以上が主要な菜食主義です。

その他の食事スタイルでも、完全菜食の方が取り入れていることも多い食事スタイルを3つご紹介しますね。

ホールフード菜食

 

ホールフードとは直訳すると、「Whole(まるごと)」の「Food(たべもの)」という意味で日本では仏教の言葉で「一物全体」とも言います

小麦粉よりも全粒粉、白米よりも玄米を使うなど、栄養素の豊富な無精製の植物性食品を勧める食事です。

野菜についている葉や皮やなども一緒に食べることによりビタミンや食物繊維をより多く摂ることができるように、精製されたり分断された食べ物ではなく食べもの全てを食すことにより、その食べ物の持つ栄養を丸ごと摂ることができます

また、このような考え方もあります。

「全体」は、「全体」としてあるとき、部分の総和を上回る特別な働きをするかもしれない

ということです。

どういうことかというと、

物事を分断して考える(二元論など)ことは近代科学に必須の考え方でしたが、逆に本質的な問題を考えられなくなってしまうなどその限界もありました。

その反省として、最近では「全体は部分の総和ではない」という意見も聞くようになりました。

そのためホールフード菜食を実践する人は「食べ物の全てを食す」ということに「全ての栄養を摂る」こと以上の価値を見出して実践する方も多いのです。

 

オリエンタル・ベジ

 

Buddhist cuisineとも言い、台湾の「素食」や日本の精進料理はこちらに分類されます。

どんな食事スタイルかというと、「五葷(ごくん)を摂らないヴィーガン食」です。(乳製品を含むこともあります。)

※日本の精進料理では魚出汁を使うお店もあります。

「五葷」って何?という方に...

はてな

五葷:
臭気の強い種の野菜。 仏家では大蒜(ニンニク)・小蒜(ヒル)・興渠(ニラ)・慈葱(ネギ)・茖葱(ラッキョウ)の種、道家では韮(ニラ)・薤(オオニラ)・蒜(ニンニク)・蕓薹(アブラナ)・胡荽(コエンドロ)の種をいい、これを食べると淫欲いんよく・憤怒ふんぬが起こるとして禁じる。 辛ごしん。

https://kotobank.jp/word/%E4%BA%94%E8%91%B7-500117

 

人間の欲や感情に影響のある「五葷」を摂らないということで精神的な意味合いを求めてこの食事スタイルを摂る方も多いようです。

 

フルータリアン

 

主に思想的な理由で根菜や葉野菜なども取らず、果実・種子・ナッツのみを取る食事法

収穫しても植物そのものを殺すことはない果実やナッツのみを摂るので「植物をも殺さない」食事スタイルと言えます。

「動物から搾取しない」ヴィーガンと比較してもより厳格な菜食です。

この食事法が健康的だと考えて実践する人も多いそうで、著名なフルータリアン、T.C.フライ博士は以下のような発言をしています。

 

ほぼ全ての植物や種には人間が代謝できず、直接・間接的に有毒となる成分を含んでいるのに対し、熟したフルーツには人間にとって毒になる成分を全く含まない。フルーツは人間にとって最も自然かつ理想的な食べ物なのだ。もちろん、現代社会においてフルーツ以外のものを一切食べてはならないと言うつもりはないが、自然な状態において人間の食べ物はフルーツなのである。

T.C.フライ博士 https://www.fruit-of-eden.com/fruitarian-1/%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%BE%A9/

 

健康に良いという主張もあるため完全なフルータリアンでなくても部分的に取り入れる人もいる食事スタイルです。

 

参考

著名なフルータリアンで世界唯一のフルータリアン専門オンラインマガジン、The Vibranceの発行人であるデイビット・クレイン博士のサイト「Fruitarian」はこちらです。

 

さいごに

ここまで読んでいただき有難うございました。

ひとえにベジタリアンなどと言っても色々な食事スタイルや考えがあるとお分りいただけていれば嬉しいです!

・動物から搾取しない

・環境破壊を食い止めたい

など、菜食主義には様々な動機がありますが、共感する部分があれば少し取り入れて自分の身体に合うか見てみるのも良いのではと思います。

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